シードやレギュレーションという考え方

そもそも理想の大会が何かという話。

「最強」を決める場合、道理で言えば「一番強い人間が一番勝てるシステム」が一番優れているはずです。最強を決める大会なら勝つべき人間は一番強い人が該当します。

葉桜杯なんかは「シングルバトルが上手なプレイヤーを決める」というのが大前提なので、葉桜杯の理想は「シングルバトルが上手なプレイヤー」が優勝することです。
なぜなら「シングルバトルが上手なプレイヤー」を決める大会で「ダブルバトルが上手なプレイヤー」が優勝するのはおかしい話ですし(どっちも上手なペンギンさんはすごい)、べつに「指を振る」で強い技を出せる人が優勝するのもおかしい話です。(シグマさんはそもそもシングルバトルが強いし、別に運量は普通だと思います。知らんけど。)

 

もちろん大逆転とか、番狂わせってめちゃくちゃおもしろい要素だと思うんですけど、それがなぜかっていうと「番狂わせが滅多に起きないから」じゃないですか。それが珍しいから面白いって僕は思うんですよね。

正直、僕は「強い人や有名人が負けること」自体におもしろさは感じないです。珍しいとは思います。

だから、僕は大会を「強い人が勝つべき」だと考えてデザインしています。僕が大会をやる理由は「ランクバトル以外で強い人を決められる場所があってもいいんじゃないすか?」がその一つだったりします。
別に「ランクバトルで結果が出せない人」のために大会をやってるわけではないです。

過去に僕はBattleFrontierという大規模のオフライン大会を開いたことがあって、第1回はクゥリさん、第2回はふゆのさんが優勝しました。ふゆのさんは誰もが知ってるふゆのさんなんですけど、クゥリさんも当時すごく強いプレイヤーでした。当時をやってた人ならみんな口をそろえて「強い」と評価すると思います。
だから僕はBattleFrontierは「めちゃくちゃ良い大会」だと思っていて、それがなぜかというと「強い人が勝ったから」です。僕は当時のBattleFrontierを企画した際に「つえーやつをオフラインで決めたい」と言って実際に「強い」と評価される人間が勝ったのでこれはコンセプト通りの結果です。

だから「強い人を決める大会」においては「ポケモンが上手い人が勝ちやすいシステム」を組まなければなりません。ここまではいいですかね。

「ではクゥリさんとふゆのさんを準決勝からのスーパーシードにして大会をやります。」というのは間違いに近いと思っています。なぜなら他の参加者も「同じくらい強い可能性」を秘めているからです。この可能性を切り捨ててまで強い人を決めるのは「不公平」になります。
とはいえ、過去の成績から大まかなな強さを測れたりもします。クゥリさんは当時は大会でTOP4に入る事が普通にありましたし、ふゆのさんは今でも昔もランクバトルやレート、公式大会で結果を残したりもしています。二人とも輝かしい結果を残しており、それは主観ではなく、事実、明確なデータや数値、結果に基づいているものです。
よって他の参加者より明らかに強さを測れる指標がある、参加者同士で過去結果の優劣をつける事ができます。で、あればこれらのプレイヤーで最終的に争うことは「強い人を決める」大会においては「システムに沿っている」と分析できる可能性が非常に高いです。

このためにシードが存在します。「強い」と予想されるプレイヤーと「強い」という予想の指標を持っていないプレイヤーを戦わせることで本当に「強いと予想されるプレイヤーが強いのか」、そして最終的に「強いと予想されるプレイヤー」が勝ち上がりやすいシステムを組めれば最終的には「強いプレイヤー」が優勝しやすくなるのです。

つまりはクゥリさんとふゆのさんはそれぞれトーナメントの端からスタートさせることで、過去の「BattleFrontier」のデータを参考にした場合は決勝戦での「クゥリVSふゆの」が大会コンセプトに一番沿ったカードになるということです。

 

さて、これを踏まえた上で「シングルバトルが上手いプレイヤー」が大会で優勝するレギュレーションは何か、を考えてみましょう。
現に葉桜杯は過去に54回行われており、決勝トーナメントは全てBO3で行われました。優勝者一覧を見てみるとちょっとだけ面白い傾向がわかります。

葉桜杯 - 秋の陣 - 決勝トーナメント - YouTube

BGMがごちゃごちゃでスマン。
オフのエンディングを見ればわかりますが、過去に優勝している人間のほとんどが最終2桁もしくは1桁を獲得しています。また、実は優勝した時は目立った成績などは無かった物の、優勝したシーズンで初めてランクバトルで結果を出したという方も何人かいたりもします。
決勝トーナメント参加者全体を見ればわかりますが、ランクバトルで最終二桁を取った事がない方も多く参加されています。とはいえ、最終的に優勝するのはこういったランクバトルで結果を出している方に「集中しやすい」傾向が表れています。
もちろんゲーム性やレギュレーション、その他の要因の影響もあり、100%というわけではないためなんともですが、明らかに「過去に結果を出している人、そのシーズンで結果を出した人が勝つ」傾向が強い事が分かります。

現状他に目立った大会が見られないため何ともですが、予選仲間大会orスイスドローのBO1から本戦でBO3の対戦を行うことは「多少なりとも強い人が勝ちやすいシステム」に該当している可能性が高いということになります。

 

こういった背景があることを踏まえて、ここ最近での葉桜杯関係のイベント及び私自身が手がける大会に関しては予選はBO1、本戦はBO3での対戦を行うという物にしています。もちろんこの方式の大会を重ねるだけでなく、「他に優れたレギュレーションは無いのか」、などの考察は疎かにしていいものではなく、それぞれの大会でそれぞれのレギュレーションを分析し、それが競技性を求めるもの、すなわち「強い人を決める」大会なのであれば、「それに適したレギュレーション設定」ができているかを常に疑わなければなりません。

 

とはいえ、めんどくせー話だったり、そもそも他人にどうこう言われるのが嫌な気持ちもわかるので、僕の方で勝手にやるんですけど、一緒に考えてくれる人がいたら気軽にメッセージとかチェケらしてくれたら応えるかもしれません。
とはいえこういう話題って現行で頑張っているプレイヤーを篩にかける行為スレスレのことをするので裏でこっそりやりつつ、大前提として「みんなが志を持って参加できる大会」をデザインすることが大事かなと気をつけながらやっています。