エラトステネスのことをエトラステネスだと思ってました。

 

さておき、

「人間は基本的に新しい物を拒む性質がある」

これは半分しか正しくなくて、厳密には

「知らない物に対して拒否する姿勢を示す」

という物がある。

これ自体は別に何もおかしくなくて、理由としては数百年前までは「知らない物と対峙する=死」が常だったため。

例えばジャングルには入らない方が良い。なぜなら毒虫は居るし、危ない動物もいるし、見えない崖とか寝床に使う洞窟はガスで充満しているかもしれない。

現存している人間の子孫はそうやって「未知との衝突」を避けてきた。だから遺伝的に「未知との衝突」を嫌う傾向がある。「未知と衝突する奴」は順番に死んでいくから。

ただ、現代では「未知との衝突」で命を落とす機会が大幅に減った。よって「未知と衝突する奴」の生存確率は大幅に上昇している。

 

1.人間は知らないものに対して恐怖を覚える

 

次、「人間は自分の想像に頼る傾向」がある。

例えば人から「地球は動いている」と言われた場合と、「太陽は動いている」と言われた場合は後者の方が理解しやすい。

何故地球が動いているか説明せよと言われた際に「他人から教わった事」をそのまま述べることしかできない。例えば「大規模な移動を行うと星の見える角度や種類が変わる」や、「地球が止まっているとすると多くの星の移動パターンが物理法則に反する」など、自身の経験や考察に基いて判断している人間は極小数だと思われる。

なんなら日常生活においては地球が平面であることを前提に生活しても支障は無い。万有引力を生活中に実感することは無い。「物は下に落ちる」という認識で生活に支障はでない。

人間は目の前で起きている光景や、これまでの経験に基いて物事を判断する。

 

2.人間は自分が知っている物や見たことがある物に基いて物事を判断する

 

1+2.「人間は自分が知っていたり想像出来る物では無い物」を怖がる

 

2.は言い換えれば「知っているものであれば判断できる」であるため、その待遇は「判断できないものは知らないもの」であり、命題が真であるなら待遇も真になる。

 

3.判断出来ないものは知らない物だから

知らない物は判断出来ないものに該当することがある。

 

「新しい物」がある。例えば「地球は丸くて動いている」と説明された時に人間はどう思うか。

「物が下に落ちる」と認識していれば地球の裏側は地獄であり、「地球が動いている」のであれば場合によっては風が吹いたり自分が吹き飛ばされたり、そもそもこれまで自分が信じていた物によっては自分自身の認識に齟齬が生じる可能性がある。

だから危険な思想として扱われた。

 

新しいもの(未知)は拒まれる

 

自分にとって不都合な想像が生まれてしまった場合はそれに頼った判断を行う

 

ここまでは経験的に理解されやすい。

 

では新しいもの(未知)のメリットが大きい場合。

例えばマックのモバイルオーダー。使用すれば列に並ばずにハンバーガーを受け取れるがコレを使わない人がいる。

勿論自分も使わなかったことがある。しかし、パネルに知らない番号が表示されていきなり人が現れて自分より先にハンバーガーを受け取ったのを見た瞬間にモバイルオーダーを使用することを検討し、次からは導入した。

しかし、それでも使わない人間はいる。理由はこれまで説明した通りだと思われる。知らないから使わない。自分の理解が及ばないから、隣で突然ハンバーガーを取りに来る人間の行動を想像出来ないからモバイルオーダーを使えない。

 

冷静に考えて普及しているシステムはメリットがあるから波及する。マイナスが大きいならそれは起こらない。隣町でスタンダードになっている事はそれによるメリットがあるからスタンダードになっている。

 

新しく生まれたものには相応のメリットがある。未知に怯えてメリットを享受できない時、享受した人間との差はそれだけ広がる。

 

まぁ厳密に言えば太陽は動いてますし、新しいものが正しいとは限らないんですけどね。そもそも地球を外側から見たこともないっす。僕もみんなと一緒っすよ。怖いなって思いながらアレコレ試行錯誤してます。共に頑張りましょう。